RS機械設計コラム設計計算書とは?

COLUMN|技術解説

設計計算書とは?
種類・内容・外注時のポイントを解説

2025年5月10日 執筆:RS機械設計

📋 目次

  1. 設計計算書とは
  2. 主な設計計算書の種類と内容
  3. いつ・なぜ必要になるか
  4. 外注依頼時のポイント
  5. まとめ

設計計算書は、機械・設備の設計が物理的・工学的に正しいことを定量的に証明するドキュメントです。「この軸は折れないか」「このモータで動くか」「共振して壊れないか」といった問いに数値で答えるもので、設計の根拠を文書として残すために作成します

設計計算書とは

設計図面が「どのように作るか」を示すものであるとすれば、設計計算書は「なぜこの設計で大丈夫か」を示すものです。客先への提出・社内承認・製造後の検証・トラブル発生時の原因究明など、様々な場面で必要になります。

設備の安全性・信頼性を担保するうえで不可欠な文書であり、特に自動車部品生産設備・プラント設備・食品機械・半導体製造装置などでは提出を求められることが多いです。

主な設計計算書の種類と内容

計算書の種類確認すること主な用途
構造計算書フレーム・架台・ブラケット等の剛性・変形・応力が許容値以内か設備架台・搬送装置・治具
動力計算書モータ・シリンダ等の駆動力が搬送物を動かすのに十分か搬送装置・駆動系全般
強度計算書軸・ボルト・溶接部等が繰返し荷重・衝撃荷重に耐えられるか回転体・締結部・溶接構造物
固有振動数評価設備の固有振動数が加振源(モータ・カム等)の周波数と共振しないか高速回転機器・精密設備
ベアリング寿命計算使用するベアリングが要求寿命(時間・距離)を満たすか回転軸・搬送ローラ
搬送能力計算タクトタイム・速度・加速度が生産要件を満たすか搬送ライン・パレタイザ
熱容量計算加熱・冷却に必要な熱量・時間・機器容量の検討炉・洗浄機・恒温槽
重量積算書設備・ユニット・吊荷の重量を積み上げて確認据付・搬入計画・クレーン選定

いつ・なぜ必要になるか

客先への提出が必要な場合

自動車メーカー・Tier1への設備納入では、設計審査(DR)の段階で計算書の提出を求められることが一般的です。計算書がないと設計承認が下りず、製作に進めません。

社内承認・リスク管理

社内の設計審査・安全審査で「この設計の根拠は?」と問われたときに、計算書があれば即座に回答できます。後のトラブル発生時にも原因を追いやすくなります。

設計の手戻りを防ぐ

感覚や経験だけで進めた設計は、試作・試運転の段階で「動かない」「壊れた」が発覚します。計算書を設計段階で作ることで、問題を図面の段階で発見・修正できます。

外注依頼時のポイント

依頼時に伝えるべき情報

⚠️ よくある依頼ミス

「設計計算書を作ってください」だけでは、何の計算をすればよいかが不明です。「搬送装置の動力計算書(モータ選定根拠)をExcel形式で作ってほしい。搬送重量・速度・加速度は添付します」のように具体的に伝えることが重要です。

計算書に含まれる内容の確認

良い計算書の条件

  • 計算の前提条件(荷重・材質・寸法等)が明記されている
  • 計算式の出典(JIS・教科書・メーカーカタログ等)が記載されている
  • 計算結果と判定基準(許容値)が対比されている
  • 「○○<許容値 → OK」という判定が明示されている
  • 図・スケッチで計算対象箇所が示されている

まとめ

設計計算書は、設計の正しさを数値で証明するための重要なドキュメントです。種類・内容・判定基準を明確にして外注依頼することで、スムーズな対応が可能になります。

RS機械設計では、構造・動力・強度・固有振動数・ベアリング寿命・搬送能力・熱容量・重量積算など、各種設計計算書の作成に対応しています。

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RS(アールエス)/ RS機械設計

機械設計歴20年。自動車部品生産設備(専用機)設計を専門とするフリーランス設計者。各種設計計算書(構造・動力・強度・振動・熱容量・重量積算)の作成実績多数。SolidWorks / AutoCAD 使用。